第107回全国高校野球選手権大会、5日開幕
横浜(神奈川)の春夏連覇はなるか。阻むとすればどこか。それが最大の焦点になる。
横浜は選手層の厚さが際立つ。経験豊富なエース奥村頼人、2年生で最速152キロの織田翔希ら多彩な投手陣を擁する。打線も勝負強さが光る3番阿部葉太を中心に切れ目がない。
阿部葉はピンチでも慌てず、ここぞの好機に強い頼れる主将でもある。「春夏連覇はめざすが、一試合一試合を勝っていかないと、そこは見えない」と一戦必勝を誓う。
昨春の選抜大会を制した健大高崎(群馬)、選抜準優勝の智弁和歌山も頂点を狙える力がある。
健大高崎は常時150キロ台の直球を投げる石垣元気、安定感が光る下重賢慎、ひじの故障から復活した佐藤龍月らの投手層で横浜の上をいく。智弁和歌山は抜群の制球力を誇る右腕渡辺颯人が春のリベンジに燃える。
ただ、健大高崎は昨夏王者の京都国際、智弁和歌山は選抜8強の花巻東(岩手)と1回戦でぶつかる。京都国際には大会屈指の左腕、西村一毅がおり、花巻東は強打自慢。優勝争いを左右する対戦カードになる。
智弁和歌山のゾーンには秋・春の近畿王者となった東洋大姫路(兵庫)もいる。チーム打率4割に迫る強打は、大会トップレベルと言っていい。
打線が好調な西日本短大付(福岡)、3年ぶりの全国制覇をめざす仙台育英(宮城)、昨夏まで2年連続4強の神村学園(鹿児島)、最速152キロの長身右腕・菰田陽生を擁する山梨学院も力がある。
選手たちの無限の可能性が、前評判をくつがえす大会になることを期待したい。